Wednesday, December 13, 2006

死は恐くない?!

いきなり「死は恐くない」等と言われても、やはり恐いものです。
まともな宗教の、並みの信仰者なら、死は恐くないのですが、やはり不安です。
恐くない理由を少しずつ記しますが、まず恐いことを素直に認める事から、始めましょう。

聞き覚え部分が多いので、正確でないことを、何度も言い訳してますが、
吉川英治の宮本武蔵にも出てくる有名な沢庵和尚。臨終の床にあります。
さぞかし名言が聞けるかと、秀吉だったか、家康だったか「遺言は?」
もう声も出ない状態で、ささやいたか書いたかで「死にたくない…」
「さすが名僧。臨終までも冗談が言える」
「冗談でなく本当だ…」

沢庵は修行が足りないと思いますか?
たぶん彼は死を恐れない心境に達しながらも、もう一歩進んで、すなおな心になり、見栄を張らず「恐い」と言える境地だと思います。
まず凡人から180度変わり達人となり、また変わって180度。一見凡人風達人。

次は達人風凡人。
知り合いの医師の話。
名僧、高僧と言われる人がガンで入院してきました。
「死の準備は長年の修行で出来ている。残る一日一日を大切にしたいので告知してくれ。ガンだろう?」
担当の修行の足りない若い医師は、そのまま信じて、尊敬の思いで、うなずいてしまったそうです。
それ以来この名僧、食事がのどを通らず、しょげかえって、死期が随分早まりました。
この病院では、それからしばらくは、告知しない方針になりました。

でも知り合い医師は、その後、告知賛成に意見が変わりました。
何人かの若者が難病で死ぬ時、家族や病院スタッフに「ありがとう」と言い、幼児が母親に「先に死ぬけど、お母さん悲しまないでね」と、かえって親を気遣って死んでいった姿を、幾度か体験したそうです。
厳しい修行より、幼い純真な信仰が、死を乗り越えたのです。

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